歯根膜のお話し-咬合性外傷編-
投稿日:2021年3月31日
カテゴリ:歯科治療全般
歯根膜のおはなし-咬合性外傷編-
前回触れた「歯根膜」。今回の内容は思い当たる人もいるかもしれません。「歯根膜」が縁の下の力持ちという言葉の通り,今回は歯の下での仕事についてです。
「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」
咬合性外傷:咬合+外傷 その言葉の通り,かむこと(咬合)により引き起こされるケガ(外傷)です。
歯の主な機能は「咀嚼(そしゃく)」です。「咀嚼」の時,歯にかかる力はどのくらいでしょうか。一般的に、体重Kgと同じ力がかかります。一般的な食事咀嚼回数は、1日1000回を超えると考えられています。当然、食べ物の性状によってはこれ以上の力がかかることもあります。歯は小さい組織です。そんな歯が体重Kgの力を”耐えて”います。
,,,と、そんなことはなく、歯根膜のメインの仕事「圧緩衝」の働きです。
ご想像通り,歯根膜はクッションです。このクッションがあるからこそ,歯を支える骨も歯自体も咀嚼をしても問題なく生活できます。
しかし近年,無意識の食いしばりが問題になっています。クッションも使いすぎると緩衝する力が減退します。そしてキャパオーバーしたとき,「かむと痛い」という症状が出ます。
これを「歯根膜炎」と呼びます。虫歯でも歯周病でもなく,炎症が起きることもあるのです。大体の場合,「かむと痛い」があれば反対側で食べるよう人は働きます。休ませれば回復する(前回話した通り,血流あるからこそ)のです。しかし原因は除去できていないと考えるべきです。ぜひ、日常生活を見直してみてください。
「かむと歯が痛い→歯医者へ行く→レントゲンで異常なし」経験ありませんか?もしかすると「咬合性外傷」かもしれません。かぶせ物や詰め物の高さ異常であれば調整します。根の先が膿んでいたり,歯周病が進行している等,原因があれば治療の対象です。
心当たりがある方は、ぜひご相談ください。
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